遺産相続問題
〜親が急になくなったら〜

親が急になくなったら、どんな手続きが必要でしょう。

愛する親御さんが突然なくなった場合、残された遺族はどのようにしたらよいのでしょう。
戸惑い、そして悲しみを抑えながらもまずは葬儀をしなければなりません。

しかし、なくなった方の死後の処理はこれだけでは済みません。むしろこれからの、相続関係の処理が大変です。人生の一大事といってもよいほど大変な仕事が待っているのです。全体の流れを大まかに示すと、以下のようになります。
1. なくなった方の死亡手続〜葬儀・埋葬
2. 法定相続人の確定
3. 遺産の把握とその評価(相続財産の確定)
4. 遺言の処理
 (1)有効な遺言書が存在する場合
 (2)遺言書が存在しない・無効の場合
5. もしも、もめてしまったら
6. その他に注意すること




1. なくなった方の死亡手続〜葬儀・埋葬
病気などによる自然死の場合は、医師に死亡診断書を書いてもらいます。
行き倒れ、自殺などのような不自然な死体の場合には警察に届け、死体検案書を書いてもらいます。

その後、同居の親族などが死後7日以内に、市町村役場に死亡診断書ないしは死体検案書を添えて死亡届(戸籍法第86条,第87条)を出し、埋(火)葬許可証をもらい、埋(火)葬することになります。

2. 相続人の確定
相続人とは、被相続人(なくなった方)の遺産を受け取る人です。通常は、民法の規定にしたがって、誰が相続人であるか・相続分がどれだけかが決まります(法定相続人 民法第900条参照)。
ただし、被相続人が生前に遺言で、相続人・相続分をしていた場合には、遺言にしたがうことになります。

遺言がない場合、相続人は法定相続によることになります。この場合、誰が相続人であるかは法律の規定で明らかなので、すぐ分かると思っていませんか?
実は法定相続人が誰であるかは、戸籍や除籍などを丁寧に調査して慎重に確定する必要があるのです。

                       もっと詳しく「相続人の確定とは」


3. 遺産の把握とその評価(相続財産の確定)
相続財産がどれだけあるかを把握することも必要なことです。
相続人が複数いて遺産の分割をする場合、分けるものがどれだけあるかが、正確に分かっていないとそもそも分けようがありません。
また、遺産の額によっては相続税が生ずるので、はたして自分の続は相続税の課税対象になるものかどうかをまず、調査する必要もあります。

不動産、預貯金、有価証券、動産などすべての財産を評価しなければなりません。ただし、位牌、遺骨などは相続財産とはなりません(民法第897条参照)。

ところで、相続財産はプラスの財産だけではありません。
連帯保証債務、ローンなどマイナスの財産も、相続財産として相続することになります。
もしも、プラスの財産よりマイナスの財産が多く債務超過になるときは、相続放棄の手続きをすることも出来ます。この場合、放棄できる期間が3ヶ月と限られていますので、注意が必要です。

4. 遺言の処理
(1)有効な遺言書が存在する場合
有効な遺言書が見つかったら、家庭裁判所で検認手続きをしなければなりません(民法第1004条)。これを怠ると5万円以下の過料に処せられます(民法第1005条参照)。

有効な遺言書が存在する場合、被相続人の意思を尊重して、遺産は原則として遺言書通りに分割されることになります。ただし、配偶者、直系卑属、兄弟姉妹には、最低限遺留分というものが認められていますので、それを侵害する形での遺言の執行は認められません。 


(2)遺言書が存在しない・無効の場合
遺言書が存在しない場合あるいは遺言書が存在してもそれが無効である場合には、法定相続人間で遺産分割の話し合いをすることになります(遺産分割協議)。
遺産分割協議をするには、相続財産を確定しその評価をきちんと行っておくことが不可欠です。
また、特別受益や寄与分なども考慮に入れて検討しなければなりません。

遺産分割協議は時間がたてばたつほど、難しくなりますので、相続開始後すみやかに行うことをおすすめします。

話し合いがまとまったら、その明確な証として遺産分割協議書を作成しておくべきです。
また、遺産分割協議書は不動産の相続登記をする上では必要なものです。


5. もしも、もめてしまったら

遺産分割協議がまとまらず、もめてしまったら家庭裁判所に遺産分割の調停ないしは遺産分割の審判を申し立てることになります。 




以上、ざっと概観しただけでも遺産相続に際しては、様々な手続きをしなければなりませんし、場合によっては親族間で争いに発展することもあり、相当煩わしいものです。
ご遺族であるあなたは、仕事が忙しく突如として起こった「事件」になかなか十分な時間を割けないかもしれません。 
当事務所では、相続に関する煩わしい手続きを代理・代行いたします。

複雑で煩わしい遺産相続手続きは、法律の専門家である当事務所にお任せください。

当事務所では、事件の性質に応じて弁護士または行政書士が対応します。


6.その他に注意すること

☆ 相続は、一部のお金持ちだけの問題だと思っていませんか?
相続財産が多額の場合には、相続税が発生することもあって相続手続きは高度な税務知識を持っている税理士さんにお任せすることになるでしょう。
しかし、実は相続税の発生する相続は、そんなに多くないのです。
なぜならば、相続税は相続財産が基礎控除額を超えなければ発生しないからです。つまり、相続財産が基礎控除額を超える場合のみ、相続税の申告義務があり相続税を納めることになるのです。

基礎控除額は、基本的には定額控除5000万円+法定相続人の数×1000万円で計算します。例えば、相続人が配偶者と子供2人の場合は、基礎控除額が8000万円となります。

したがって、遺産の総額が8000万円を超えなければ、相続税の申告義務はないことになります。

相続税が発生しなくても、相続財産がある以上遺産分割の問題は生じます。たとえば、3000万円の遺産を長男が独り占めしてしまった場合、次男としては納得いかないでしょう。つまり、相続問題はすべての人に問題となりうることなのです。後々に争いの種を残さないためにも、遺産相続の処理は早めに行うことをおすすめします。


☆ うちの親は借金ばかりで財産なんてないので、相続は関係ない!と思っていませんか?
もしも、被相続人に借金(債務)があった場合、そのまま放置しておくと大変なことになります。
債務もマイナスの財産なので、相続の対象となるのです。つまり、「各相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する(民法第899条)」のです。相続の開始から3ヶ月以上放置しておくと承認したとみなされてしまいますので、相続人の残した借金を承継することになってしまうのです。

ある日突然、身に覚えのない借金の請求が来てしまった、などということにならないためにもしっかりした処理をしておきましょう。
 詳しくは、ご相談ください。


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